外出自粛は英語を勉強する絶好のチャンスですが、TOEICのための勉強はおすすめしません。
私が知る限り、TOEICは長い間日本社会において英語力を測定するもっともポピュラーなツールとして君臨しています。
しかしTOEIC990取得している帰国子女等からはよく、あれじゃ英語力は把握できないよね、という意見を聞きます。私も実際そう思います。
本稿ではTOEICが英語力の測定に向いていない理由と、英語力を高めたいなら取るべき資格を紹介します。
TOEICとは
Test of English for International Communication (TOEIC)は、Educational Testing ServiceというNPOが主催するスコアベースの英語資格です。
ListeningとReadingから構成されるTOEIC Listening & Reading Testが一般的にいうTOEICであり、その他にSpeakingとWritingも試験科目となるテストもあります。
本稿ではTOEIC Listening & Reading Testを対象としております。
スコアはListeningとReadingが445点満点ずつというブレイクダウンです。従い、TOEICは990点が満点です。
つまり、英語のリスニング力と読解力を990点のスケールで評価するというものと私は解釈しております。
詳しくは↓
英語力とは
本サイトは会社勤めの方を対象に情報を配信しておりますので、ここでいう英語力はビジネス実務上活かせる英語と定義します。
いうまでもなく、ビジネスでは商談、メール、接待、リサーチなど、英語を聴くことと、読むこと以外に、喋ったり、文章を書いたり、語彙力を活かして検索したりと多義に渡る英語スキルが必要となります。
そのため、上記を包括し総合的に優れたレベルで英語を操り、ビジネス現場で活かせることを高い英語力とします。
TOEICがあまり意味ない理由
リスニングとリーディングしか評価されない
もうほぼ解説してしまいましたが、リスニングとリーディングがいくらできても、スピーキングとライティングが不得意であれば、ビジネス現場で英語を活かしたアウトプットができないからです。
例えば、英語でやる会議に出席した際、読むことと聴くことしかできなければ、ボイスメモと資料の後日送付などであなたのスキルはいくらでも替えがきくからです。
TOEIC730点以上取っても実務はできない
一般的な日系大手企業のTOEIC社内ハードルが730点だとききますが、730を単純に2で割って、リーディングとリスニングのスコアを365点ずつとします。そうすると読解力は365/495=73%。
つまり27%の割合であなたは英語を理解できていません。これではビジネス現場で要求されるコミュニケーションは取れませんね。
つまりTOEICで730点を持っていても、現場では活かせないのです。
730点は英語コミュニケーションへのスタートラインと思っておいたほうが良いでしょう。
私の経験上、英語が出来ると評価できる水準は900点以上ですが、900点と990点の英語力の違いは、600点と900点の英語力の違い相当だと思われます。
そのため、同じ900点台でも、レベル感がうまく反映されていないため、英語力の測定法として向いているかについては疑問が残ります、
TOEICが意味ある理由があるとすれば
TOEICはなぜか日本のビジネス現場において人気な英語測定ツールです(この理由がわかる方は教えてくださいw)。鋭い人ならお気付きかと思いますが、TOEICさえ制覇すれば「英語出来るヤツ」になれます。
英語勉強の証
さらに、TOEIC400点から800点くらいに伸ばした実績があるとしましょう。このスコアの伸びしろは驚異的ですよね?
スコアの伸び幅をアピールできれば、英語勉強を頑張っているエビデンスになる。
社内昇進・チャンスをつかめる
このままいけば英語をマスターするくらいになるだろうと周囲から認めてもらえれば、英語を出来るようになる前提で英語を活かす機会を貰えるかもしれません。
そしてその機会を通じて、英語力を伸ばすという好循環を作れます。
また、この類のメリットは他の英語資格にもあるといえばあるのですが、TOEICがメジャーである故に、TOEICのほうがこのメリットを享受しやすいと言えるでしょう。
ただし、改めて強調しておきますが、800点からさらに点数が伸びるという前提です。
800点で英語で高レベルなコミュニケーションを取るのは厳しいです。
最後に:真剣に英語と向き合いたいなら
本稿で定義する英語力をあげたいと思っている方に私がオススメするのはTOEICとTOEFLを両方受験することです。
Test of English as a Foreign Language(TOEFL)はスピーキングとライティングが受験科目として出題されるほか、海外留学する場合は必須の資格です。
私の経験上、海外留学は英語力を劇的に伸ばす絶好の機会である上、TOEFLで高得点を取れれば間違いなくTOEICで高得点を取れるので、勉強はTOEFLを中心に進めるのが懸命だと考えます。
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Beerboi
・95年豪州生まれ。
・インターナショナルスクール→早慶→都内大手企業。
・在学中10キロの減量を経てボディビル大会に出場。
・TOEIC990、ビール検定3級保有、年間約270Lのビールを愛飲し、ビール検定1級に向けて勉強中。
・そこらへんのサラリーマン。